省エネ実践ガイドブック 3-1. 運用改善に関する省エネ項目 〜省エネ・温暖化対策を新たな成長の原動力に〜今すぐできる中小企業向けヒント集

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運用改善に関する省エネ項目

設備 省エネ項目
空調・換気設備およびその関連 1. 空調機の設定温度の順守励行
2. 使用していないエリアの空調停止
3. 空調機運転始動と停止ルールの設定と励行
4. 室内温度計の設置
5. 空気送風機、換気扇等の運転停止
6. サーキュレータによる空気の循環
7. 室外機への散水とフィン洗浄
8. サーバーの放出熱の室外放出
9. フィルター清掃
10. 空調機の時差立上げ
11. 室外機の日除け
12. 室外機背面すき間を確保
13. レイアウト変更
14. 空調機の外気導入停止
15. カーテンなどで室内のゾーン分け
照明設備 1. 天井照明の減灯
2. 天井照明の間引
3. ブラインドの採光調整
4. 天井照明スイッチの対応を明示し不要時、不要部の消灯
生産設備 1. 放熱抑制
2. ファンベルト緩み調整
3. 作業標準の見直し
4. 常時使用しない各電力使用機器の電源管理
コンプレッサー 1. 供給圧力の見直し
2. エアー漏れ
OA機器 1. プリンターなど電源OFF
2. コピー機夜間電源OFF
3. PC離席時電源OFF
給湯器 1. 夏季の利用停止
2. ウォーターサーバーの利用中止
3. 電気ポットを電気ケトルに
その他 1. 温水便座の冬季以外の使用停止
2. 省エネに関するルールと役割分担、達成状況の見える化、推進体制
3. エネルギー使用実績の見える化
4. 冷凍冷蔵庫内の整理
5. 冬季のミニマットを利用

上記の省エネ項目の中から、省エネ診断で実際に指摘をした項目についての改善点を以下にまとめた。

(1)空調換気設備およびその関連

省エネ項目の現状

省エネ診断で実際に指摘した省エネ項目ごとの改善点をまとめた。
※項目ごとに問題のある点を記載

  1. 空調機の設定温度の順守励行
    前年に比べ指摘件数が減少している。調査におけるインタビューでも実践が認められ、これは昨年の節電キャンペーン以降、空調の使い方が節電に一番効果的であることが浸透した表れと思われる。
  2. 使用していないエリアの空調停止
    本年は該当なし
  3. 空調機運転始動と停止ルールの設定と励行
    始業時間に空調の運転を一斉に開始していたり、食堂、休憩室などは利用時間に急速に冷やしたり温めたりするため、一気に使用電力が上がってしまっているため、空調始動時のルールを設定することで、急激な電力上昇を抑制する。
  4. 室内温度計の設置
    1.の空調機の設定温度を順守する際、実際の室温を把握する必要がある。
    暑い寒いは個人差があるため、室温を管理しながら空調の温度設定をすることで、快適な執務・作業環境を確保できる。
  5. 空気送風機、換気扇等の運転停止
    換気扇を常時使用すると空調した冷気、暖気を屋外に排出してしまうことになる。同時に隙間から外気が取り込まれ空調負荷が高くなるため、必要ない時は停止する。
  6. サーキュレータによる気流の循環
    空調している室内の暖気は天井部に、冷気は床付近に溜りやすく、夏季は空調に負荷がかかり、冬季は暖房効果が薄れるため、室内の空気を循環させる。
  7. 室外機への散水とフィン洗浄
    夏季は、室外機の熱交換部のフィン(銀色の細かい層状部)に散水すると、冷房の効率が上がる。なお、フィンにごみや汚れが付着したり、スケールと呼ばれるカルシウムが付着すると熱放出を妨げ、空調能力が低下する。またサビが発生すると空調機の寿命が短くなる。
  8. サーバーの放出熱の室外放出
    サーバー、ルーターなどのIT機器は24時間稼働の上、熱放出が多い。機器の熱が屋内に流れると、空調負荷を高めることになる。
  9. フィルター清掃
    室内機のフィルターが目詰まりすると、空気の吸い込み量が減り、空調の効率が悪くなったり、空調の温度センサーの反応が悪くなり適正な温度による運転を妨げてしまう。
  10. 空調機の時差立上げ
    空調機が多くある事業所では、冬場、年始などの長期休業明けの日や、前夜降雪があった日の始業時などに空調を一斉に立ち上げると、契約電力を超えることがあり、特に寒冷地では注意が必要である。
  11. 室外機の日除け
    室外機の設置場所および方向は、空調機の能力に影響を及ぼす。特に日中長時間直射日光が当たるような場合は空調機の能力が大きく低下するため、日除けなどの処置をするとよい。
  12. 室外機背面すき間を確保
    室外機と壁面との間隔がないと、室外機の熱がこもり空調の効率が低下する。
改善を要する代表的な実例

1. 空調機の設定温度の設定と順守励行
(設定温度がまちまちにならないこと)

2. 空調吹き出し口を塞いでいる

空調機の設定温度の設定と順守励行 空調吹き出し口を塞いでいる

3. 美観のため室内機を壁面内に隠している
(空調機からの冷気・暖気が格子の内側で滞留し空調効果が得られない)

4. 空調機に外気を取り込んでいる
(外気を取り込んだ空調運転だと空調負荷が大きくなる)

美観のため室内機を壁面内に隠している 空調機に外気を取り込んでいる

5. 空気送風機、換気ファン等の運転しっ放し
(空調からの冷気・暖気を屋外に排気してしまっている)

6. 室内機の配置
(室内機からの冷気・暖気の流れが、天井の梁で遮られ、室内全体に行き届かない)

空気送風機、換気ファン等の運転しっ放し 室内機の配置

7. 室外機の排気
(室外機から放熱する空気と厨房の排気とが重なり、暖気が溜まりやすく、空調の効率を落としている)

8. 室外機の周りに物、室外機の重ね設置
(室外機の前や上に物を置くと空気の対流、放熱の効率が悪くなり、空調の効率が落ちる。また重ねて設置すると下の室外機の排気を上の室外機が吸い込み効率が落ちる)

室外機の排気 室外機の周りに物、室外機の重ね設置

9. サーバーの放出熱の室外放出
(冷房時に、サーバーからの放出熱が室内温度を上げてしまっている)

10. 空調機の時差立上げ
(タイマーを活用して、全空調機が一斉に始動しないようにする)

サーバーの放出熱の室外放出 空調機の時差立上げ

11.室外機の日除け
(夏季、直射日光が当たっている室外機には、日除け対策をする)

12.室外機背面すき間を確保
(建物とのすき間が少ない上、壁からの輻射熱が冷房の効率を悪くする)

室外機の日除け 室外機背面すき間を確保

(2)照明設備

省エネ項目の現状

省エネ診断で指摘した省エネ項目ごとの改善点をまとめた。

  1. 天井照明の減灯
    業務、作業に関わらない場所、外光が入る場所で無駄に点灯している。
  2. 天井照明の間引き
    日本工業規格JISで定められた照度基準より、必要以上に明るくしている。
  3. 天井照明スイッチのルールを明示し不要時、不要部の消灯
    照明の点灯ルールが定まっていないと無駄な点灯がされやすい。
  4. ブラインドの採光調整
    ブラインドで外からの光の取入れを妨げて、照明を点灯している。
改善を要する代表的な事例

1. 天井照明の減灯
(室内に人がいない時にも点灯している)

2. 天井照明の間引き
(すべて点灯していて、必要照度を超えている)

天井照明の減灯 天井照明の間引き

3. 天井照明スイッチのルールを明示し不要時、不要部の消灯
(ルールが設定されていないため、点けっ放しが起こりやすい)

4. ブラインドの採光調整
(日中もブラインドを閉めたままで外光を取入れていない)

天井照明スイッチのルールを明示し不要時、不要部の消灯 ブラインドの採光調整

5. 白熱灯(クリプトンランプ、ハロゲンランプ)を多用(電気使用量が多く、熱も出すため冷房の負荷となる)

白熱灯

(3)OA機器

省エネ項目の現状

省エネ診断で指摘した省エネ項目ごとの改善点をまとめた。

  1. リンターなどの電源OFF
    スリープ機能がない古いレーザープリンターの電源が常時入ったまま。
  2. 複合機、コピー機の夜間の電源OFF
    複合機においてスリープ機能を活用していない。夜間も電源を入れたまま。
  3. PC離席時電源OFF
    長時間使用しない時もPCの画面がついたまま。
改善を要する代表的な事例

1. プリンターなどの節電
(節電設定がされていない)

2. 複合機、コピー機の夜間電源
(スリープ機能を使用せず、夜間もON状態)

プリンターなどの節電 複合機、コピー機の夜間電源

3. PC離席時電源OFF
(PCの画面を閉じずに離席、スタンバイの設定もされていない)

PC離席時電源OFF

(4)その他

省エネ項目の現状

省エネ診断で指摘した省エネ項目ごとの改善点をまとめた。

  1. 給茶機の利用中止
    電気で常時冷却と加温している。
  2. 電気ポットの保温使用停止
    常時保温機能で電気を使用している。
  3. 省エネに関するルール、役割分担、省エネの達成状況等の見える化体制
    空調等のスイッチの入れる時間やルール、室温管理の担当が決まっていない。
  4. エネルギー使用実績の見える化
    毎月の電気の使用量が従業員に共有できていない。
  5. 常時使用しない各電力使用機器の電源管理
    半自動梱包機のバンド接着用ヒーターが加熱状態であった。
  6. カーテンなどで室内のゾーン分け
    空調時、使用しない空間が多い。
改善を要する代表的な事例

1. 給茶機の利用中止
(常時加温と冷却している)

2. 電気ポットの保温使用停止
(常時加温している)

給茶機の利用中止 電気ポットの保温使用停止

3. 省エネに関するルール、役割分担、省エネの達成状況等の見える化、推進体制をつくる(空調等のスイッチを入れる時間やルール、室温管理の担当が決まっていない)

4. エネルギー使用実績の見える化
(デマンド警報(契約電力超過危険時の警報)を活用し改善済み)

省エネに関するルール、役割分担、省エネの達成状況等の見える化、推進体制をつくる エネルギー使用実績の見える化

5.使用しない時の電力使用機器の電源管理(半自動梱包機の電源が常時入っている)

6. カーテンなどで室内のゾーン分け
(使用時間帯の異なる更衣室と食堂が区切られておらず、不使用空間も空調することが多い)

使用しない時の電力使用機器の電源管理 カーテンなどで室内のゾーン分け