省エネ実践ガイドブック 4-1. 運用改善 〜省エネ・温暖化対策を新たな成長の原動力に〜今すぐできる中小企業向けヒント集

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運用改善

(1)空調換気設備およびその関連

  1. 空調機の設定温度の設定と順守励行
    空調機のリモコン操作管理者を定め、管理方法をリモコンのそばに掲示するなどして、従業員に周知する。

    リモコンをまとめて管理する リモコンに設定温度を明示
    リモコンをまとめて管理する
    ※室内温度管理を要する工場の例
    リモコンに設定温度を明示
  2. 室内温度計の設置
    空調機の設定温度と実際の室温は一致しないため、業務に支障をきたさないようにする室温管理は温度計で行う。

    空調機のリモコンにそばに温度計を設置 執務場所の温度を測り過度な運転を防ぐ
    空調機のリモコンにそばに温度計を設置 執務場所の温度を測り過度な運転を防ぐ
  3. 空調機の運転始動と停止ルールの設定と励行
    始業、終業時の空調のON・OFFをルール化し、共用部、会議室、食堂、休憩室など個別に管理する

    入退時空調機の管理を明記
    入退時空調機の管理を明記
  4. 空気送風機、換気扇等の運転停止
    空調使用時、換気は建築基準で定められたCO2濃度以下の場合は換気を停止し、空調効率を上げる。
    CO2濃度計で計測し、1000ppm以下であれば換気は不要。

    全熱交換器(ロスナイ)の停止
    全熱交換器(ロスナイ)の停止 ※ただし全熱交換器は外気と室内との熱交換機能のため、普通換気より空調負荷は低減される。
  5. サーキュレータによる気流の循環
    サーキュレータ、扇風機を使い気流を循環させ、室温を均等にする。
    室内の温度分布を調べ、暖かい所から冷えた所へあるいはその逆に風を送ると効果的である。

    小型扇風機で空気を撹拌 冷気を部屋の奥に送る
    小型扇風機で空気を撹拌 冷気を部屋の奥に送る
  6. 室外機への散水とフィン洗浄
    室外機の熱交換部のフィン(銀色の細かい層状部)に散水すると冷房能力が上がる。特に夏季の日中は効果があり、デマンド電力の抑制(契約電力超過防止)につながる。ただし、水道水に含まれるカルキがフィンに付着するため、定期的な清掃が必要になる。また井戸水は金属が含まれているためフィンを腐食することがあるので注意を要する。

    手動で散水
    手動で散水
  7. 空調機の時差立上げ
    複数の空調機がある場合、デマンド対策(一気に電力が上がらないように)として、空調の起動はタイマー機能を使用し、始業時に一斉起動させず、段階的な起動を行う。

    リモコンのタイマー機能の活用
    リモコンのタイマー機能の活用
  8. 室外機の日除け
    室外機に直射日光が当たる場合、日除けをすることで、冷房時の能力が向上する。ただし、日除けをする場合は、熱が発散しないと、空調の効率が落ち、電気使用量が増えてしまうため、室外機の放熱がこもらないよう、素材と取り付け方法に注意する必要がある。

    室外機にネットを掛け、直射日光を遮る 室外機に遮熱マットを掛ける
    室外機にネットを掛け、直射日光を遮る 室外機に遮熱マットを掛ける

    室外機に遮熱シートを掛け、さらに植物によるカーテンも利用

    室外機に遮熱シートを掛け、さらに植物によるカーテンも利用

(2)照明設備

  1. 天井照明の減灯
    業務、作業に関わらない場所、外光が入る場所はできる限りこまめに消す。

    執務場所を中央に集め、窓際、入口側の照明を消している プルスイッチ付き灯具で、必要な箇所のみ点灯
    執務場所を中央に集め、窓際、入口側の照明を消している プルスイッチ付き灯具で、必要な箇所のみ点灯
  2. 天井照明の間引き
    日本工業規格JISで定められた照度基準より明るい場合が多く見られる。事務所の照度基準は300〜750ルクス。

    不要箇所の蛍光灯の間引き 照度計による計測、基準内を確認
    不要箇所の蛍光灯の間引き 照度計による計測、基準内を確認
  3. 天井照明スイッチの対応を明示し不要時、不要部の消灯
    照明の点灯ルールを定める。

    照明のスイッチに点灯箇所を明示 照明スイッチのエリアを明示
    照明のスイッチに点灯箇所を明示 照明スイッチのエリアを明示
  4. ブラインドの採光調整
    ブラインドを開けて外光を取り込む。

    ブラインドカーテンを開け、外光を取り込み減灯している ブラインドの開閉で採光量を調節
    ブラインドカーテンを開け、外光を取り込み減灯している ブラインドの開閉で採光量を調節

【参考】照明の照度基準(JIS Z9110)

  1. 事務所事務所
    注1 事務室は細かい視作業を伴う場合及び昼光りの影響により窓外が明るく、室内が暗く感ずる場合は、aを選ぶことが望ましい。
    注2 玄関ホールでは、昼間の屋外自然光による数万lxの照明に目が順応していると、ホール内部が暗く見えるので、照度を高くすることが望ましい。なお、玄関ホール(夜間)と(昼間)は段階点滅で調節してもよい。○印の作業の場所は局部照明によってこの照度を得ても良い。
  2. 工場工場
    1. 同種作業名について見る対象物及び作業の性質に応じ次の三つに分ける。

    注1 表中のaは細かいもの、暗色のもの、対比の弱いもの、特に高価なもの、衛生に関係ある場合、精度の高いことを要求される場合、作業時間の長い場合などを表す。
    注2 表中のbは注1と注3の中間のものを表す。
    注3 表中のcは粗いもの、明色のもの、対比の強いもの、頑丈なもの、さほど高価でないものを表す。
    2. 危険作業のときは、2倍の照度とする。

(3)その他

  1. ウォーターサーバー、電気ポットの利用中止
    ウォーターサーバーは冷却と加温を同時にしているため、消費電力が大きい。電気ポットも保温のため電気を多く使う。冷蔵庫、電気ケトルを利用するとよい。

    電子ケトル
    お湯が必要なときに必要な量を沸かす
    電子ケトル
  2. 省エネに関するルールと役割分担、達成状況の見える化、推進体制
    照明、空調等のスイッチの入れる時間やルール、担当を決める。

    運用方法の明示 運用方法の明示
    運用方法の明示 運用方法の明示

    エネルギー使用実績の見える化として、毎月の電気の使用量を従業員と共有する。

    節電行動計画作成と電力使用量のグラフ 電力使用量の実績グラフ
    節電行動計画作成と電力使用量のグラフ 電力使用量の実績グラフ
  3. カーテンなどで室内のゾーン分け
    使用しない空間をカーテンで仕切り、無駄な冷暖房をなくす。

    作業場の間仕切りカーテン
    作業場の間仕切りカーテン
  4. 冬季のミニマット利用
    冬季は暖気が天井付近にたまりやすく、足元が寒くなりがちです。空調温度を上げても解消できません。天井付近に小型扇風機を取付け、暖気を降下させると効果的。また、机の下にはミニマットを使用すると寒さがやわらぐ。頭寒足熱の実践。

    ミニマットの利用
    ミニマットの利用
    エアコン 6畳用 2.2kW 450W オイルヒーター 360〜1,500W
    エアコン 10〜15畳用 2.8〜4.0kW 750〜1,100W ハロゲンヒーター 1,200W
    電気カーペット 3畳用 760〜1,000W 電気ヒーター 800〜1,000W
    電気ファンヒーター 1,150W ホットマット 45×45cm 30〜40W
  5. 温水便座の運用
    冬季以外は便座の保温、温水の使用を控え、利用後は蓋を閉めて節電モードにする。

    冬季以外は電源を切る。節電モードとし設定温度も低めにする。
    冬季以外は電源を切る。節電モードとし設定温度も低めにする。