省エネ実践ガイド2-6 工場の省エネ 〜省エネ・温暖化対策を新たな成長の原動力に〜今すぐできる中小企業向けヒント集

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省エネ・節電を中小企業の経営に活かす

工場の省エネ 工場のエネルギー消費傾向

工場は生産品目、稼働状況、規模等により設備が大幅に異なり、標準的なエネルギー使用状況というものなく、電力、燃料(ガス、油等)に区分すると電力7割、燃料3割程度の割合で使用している工場が多いといわれている。

工場では、生産計画等の影響によりエネルギー使用状況の季節変動、日負荷変動があり、これを、確実に把握することで省エネのポイント、検討項目が見えてくる。下記は電力の日負荷変動、年負荷変動グラフの一例であるが、負荷変動要素を見極めることが重要。

工場の省エネ 工場のエネルギー消費傾向

工場の省エネ 工場の省エネのポイント一覧

  省エネ対策項目 省エネ対策 コスト 削減効果
組織体制の整備 省エネ推進体制の整備 省エネ担当者の配置
目標と方法の設定
取組状況の点検
エネルギー等の使用量の把握 電力会社等の請求書等の管理
前年度との比較検証
運用対策 照明設備 空室・不在時のこまめな消灯
空調設備 冷暖房温度の推奨値へ変更
空室・不在時の不要空調の停止
産業設備全般 5S(整理整頓)の実施
生産設備 運転方法ルール化と不使用時停止
コンプレッサ設備 吐出圧力の適正化
ボイラ設備 不要系統への蒸気供給の停止
給排水設備 水道メーター等で漏水有無の点検
保守管理 生産設備 動力伝達部の定期的な点検
空調設備 フィルターの定期的な清掃・点検
コンプレッサ設備 空気系統のエアもれ補修
ボイラ設備 蒸気系統の蒸気もれ補修
設備導入 照明設備 高効率照明器具の採用
空調設備 高効率空調設備の採用
ボイラ設備 蒸気系統の保温の実施
その他設備 インバーター等の高効率機器の採用

工場の省エネ対策例 5S(整理・整頓等)の実施 

5S(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)が不十分だと作業効率が悪化し、コストやエネルギー使用量の増加につながる。5Sを確実に実施し作業効率を高め、省エネと省コストにつなげる。

工場の省エネ対策例 5S(整理・整頓等)の実施 

省エネ実施手順

  1. 経営層が責任を持って実行体制を確立する
  2. 5Sの責任者と担当者が毎月パトロールをする
  3. 現場と問題点の把握、解決法の検討を実施する。
  4. 5S手法を従業員全体に教育と実施支援する。
  5. 効果を確認、公表する

削減効果

30kWの機械を稼動時、段取り時間を1日10分減少したら年間約16,000円(400kg-CO2)の削減につながる。

工場の省エネ対策例 効率的台数での生産設備の運転

生産設備の中には、負荷が少なくなっても(仕事が減っても)使用エネルギーがあまり下がらないものがある。2台以上同時に運転している場合には、どちらか止めたほうがよいか検討し、最小台数で運転できる場合は必要な台数で運転する

工場の省エネ対策例 効率的台数での生産設備の運転

省エネ実施手順

  1. 同じ用途で複数の機器やラインが設置されていないかを調べる
  2. 各負荷で生産量とエネルギー使用量の関係(原単位)を調べる
  3. より効率のいいポイントを検討し、生産に応じた機器の稼働ルールを決定する
  4. 現場担当へ教育、周知徹底する
  5. 効果を確認し公表する

削減効果

総負荷が工場の能力の40%の時に2ラインのうち1ラインを停止すると年間約141,750円(3,609kg-CO2)の削減
(25kWのコンプレッサー2台を稼働させ、1台を稼働時間を年間1400時間から約40%落とせると仮定)

工場の省エネ 対策例 コンプレッサ圧力の適正化

エアーの需要に対し、コンプレッサの圧力が高すぎると、その分エネルギーを余分に使用する。エアー系統における圧力需要をチェックし、需要に合ったコンプレッサ圧力設定すると、エネルギー使用量の削減が可能。
配管からのエアー漏れをなくし、コンプレッサーの稼働時間の短縮する。

工場の省エネ 対策例 コンプレッサ圧力の適正化

省エネ実施手順

  1. 圧縮空気の用途を確認し、常用圧力リストを作成する
  2. 圧力低減で機械への影響を検討する
  3. 実際に圧力を低減させながら影響の出ない圧力に下げる、圧力設定値を変更する
  4. 配管、空圧機械からのエアー漏れのチェック
  5. 効果を確認し、公表する

削減効果

37kWコンプレッサー2台の圧力を
0.2MPa低減0.69MPa→0.49MPa)したら年間約462,000円(11,766kg-CO2)の削減

工場の省エネ 対策例 蒸気漏れの点検を実施

蒸気トラップなどからの蒸気漏れを放置しておくと、大きなエネルギー損失となるため、早期発見、補修が必要。

工場の省エネ 対策例 蒸気漏れの点検を実施

省エネ実施手順

  1. 蒸気トラップの位置、個数を把握する。
  2. 蒸気トラップの点検する
  3. 点検はメーカーに依頼する場合費用等を確認する。
  4. 効果を確認し、公表する

削減効果

1.0MPaの系統で3mm相当のトラップの故障を早期発見すると
年間約1,565,000円(39,597kg-CO2)の削減

省エネ設備導入事例 インバーター制御の採用

負荷変動が大きいファン、ポンプ等の機器を定格運転していないか?
負荷に応じた出力に対応する運転が可能なインバーター制御を採用することで、大幅な省エネ、省コストが図れる。

省エネ設備導入事例 インバーター制御の採用

省エネ実施手順

  1. 設備の運用方法を確認し、負荷変動があるか確認する
  2. 削減効果試算、費用等を調査し検討する
  3. 現在の設備に追加設置できるか確認する

削減効果

15kWのファンモーターをインバーター化した場合、ダンパー制御に比べ
年間約1,000,000円の削減、導入コストは約2,000,000円