事例紹介 〜省エネ・温暖化対策を新たな成長の原動力に〜今すぐできる中小企業向けヒント集

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新エネルギー

1. 企業基本情報

事業者名 株式会社サンジュニア
所在地 <本社>
長野県須坂市須坂1595-1
<府中営業所>
東京都府中市日新町5-35-17
主な事業内容 ・太陽エネルギー利用による給湯機、暖冷房機器等の製造・販売・工事
・太陽光発電システム・石油ガス給湯器・暖房用ボイラー等の製造・販売・工事
・家庭電器用品、家庭用品等の製造・販売・工事、総合建築請負
代表者 代表取締役:西原 弘樹
従業員数 144名
創業年月日 1981年9月1日
資本金 2,000万円
URL http://sunjunior.co.jp/index.html
会社沿革
1981年9月
家庭用ソーラー給湯システムの販売を主体とした株式会社サンジュニアを設立(特許品関連特許7件)
1997年4月
太陽光発電システムの開発と本格的営業展開を開始)
2005年6月
本社を長野県須坂市に移転
2008年3月
本社工場にてISO9001取得
2014年4月
東京都集合住宅等太陽熱導入促進事業「ゼロソーラー」を東京都内で開始

2. 環境・エネルギー分野における主な事業内容、特徴のある事業内容

<太陽熱温水器の製造・販売・施工>

太陽熱温水器の製造及び販売・施工を行い、設置後は定期メンテナンスや故障時の修理などのアフターサービスを実施している。太陽熱温水器は15年~20年近く使用することが一般的である。そのため、アフターサービスが行えるよう営業所のある都道府県のみを販売対象地域とし、販売して終わりではなく、販売後の定期的なアフターフォローにより信頼を獲得するビジネスモデルを展開している。

<エネルギー・サービス・プロバイダー事業「ゼロ・ソーラー」>

東京都の「集合住宅等太陽熱導入促進事業」を活用し、利用者のイニシャルコストゼロで機器を設置し、利用料金などで収益を得る事業を行っている(一般的にエネルギー・サービス・プロバイダー事業、ESP事業と呼ばれる)。設備更新が必要な事業所で、イニシャルコストを支払わずに機器導入ができるため、非常にメリットの大きい仕組みである。投資回収が可能な熱需要の多い高齢者福祉施設などを対象として展開している。
なお、利用料金の回収では、計量法の認可を得たメーターが必要となるが、サンジュニアでは自社にてメーターを製造しているため、自社製品のみでの一貫した事業展開が可能である。

<太陽光パネルの製造・販売事業および発電事業>

太陽熱温水器の設置工事で培った架台のノウハウを活用し、太陽光パネルの製造・販売事業も行っている。他の太陽光販売業者と異なる点は、構成部材をユニット化し在庫として保管することで、短納期、低コスト化を実現している。また、前述した架台のノウハウにより屋根に穴を開けずに施工し、防水性を確保しながらも太陽光パネルの設置が可能となっている。また、太陽熱同様に、販売して終わりではなく、アフターフォローを行えるよう、営業所のある都道府県のみで販売を行っている。
上記の販売事業に加えて、太陽光パネルのノウハウを活用し、屋根や空き地に太陽光パネルを設置し、全量売電を行う発電事業も行っている。

3. 事業詳細

事業開始の契機

当初(1980年頃)は設備系の企業の太陽熱事業部であったが、石油価格の高騰や、風呂場にシャワーを設置する移行時期であったことから、需要が高まると予想し、分社化してサンジュニアを創業するに至った。

事業拡大までの経緯

(1) 事業展開の経歴

創業当初から、給湯需要の多い農家へのシャワー設置の要望や、太陽熱設備導入につながる情報を農協から得ることで、事業を拡大した。その後、お客様からの風呂場を改装したい、床暖房を入れたいといった要望を受けてリフォーム部門を設置するなどにより、新たな製品開発、事業拡大につながった。
また、販売後のアフターフォローのために営業所を設置し、創業から10年で、営業所を6拠点設置するに至った。

(2) 他社との差別化
  • 特定計量器の認証を取得
    自社の熱量計が特定計量器の認証を取得しているので、「ゼロ・ソーラー」などの単純な販売にならず、新規の事業展開を行いやすい。
  • 新規商品の開発
    これまで多くの開発を行ってきたため、地域の中小製造業者とのネットワークがある。これにより短納期、低コストで製品開発が可能であり、新規事業展開が行いやすい土台が出来上がっている。
  • 地域に根付いた展開
    営業所を設置した都道府県に絞って事業を展開することで、本来手間やコストのかかるアフターフォローをしっかり行い、それによってユーザーの信頼を得ており、販売して終わりではないビジネスモデルを構築している。こうしたつながりから、新しい課題なども把握でき、新規事業展開につなげることができる。
(3) 現状の改善点
  • 展開速度の遅さ
    地域に根差した展開を行っているため、地域性などを綿密に確認してから営業所の拡大を行っている。そのため、展開速度が他社と比べて非常に遅い。

これまでに直面した壁

  • 東京進出時の補助金の終了
    府中営業所を開設し、東京へ事業を拡大しようとしていた際に、リース費用を一部負担する経済産業省の補助金制度がなくなってしまい、販売が停滞してしまった。そのため、新規事業であった太陽光発電をメインに展開し、太陽熱の販売減をカバーすることができた。
  • 熱量計の開発
    エネルギー消費量を把握するために、熱量計を開発する必要があった。家庭用の太陽熱温水器の計測器であるため、低価格かつ高精度なものを開発する必要があり、地域の事業者と連携して、数百回にわたるトライ&エラーを繰り返した。その結果、検定基準をクリアすることができた。

今後伸ばしていきたい点

最も重要なのは、地域に根差した販売であると考えており、太陽に関する機器の「なんでも屋」のような地位を確立したいと考えている。
製品では、エコキュートや蓄電池等の新しい機器との連携を積極的に行い、太陽熱・光の利用範囲の拡大を図りたい。

4. 環境・エネルギー分野での新事業を検討している事業者に対するメッセージ

再生可能エネルギーを含むエネルギー事業は、大きなイニシャルコストがかかるため、常に投資回収の観点から事業実施の検討を行う必要があり、手離れのいいビジネスではない。そのため、販売して終わりではなく、アフターフォローをしっかり行う覚悟が必要となる。
また、国の制度にも非常に振り回され、先が見えづらいが、お客様の経済的メリットのある仕事なので、感謝されることも多く、非常にやりがいがある。