事例紹介 〜省エネ・温暖化対策を新たな成長の原動力に〜今すぐできる中小企業向けヒント集

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環境保全・リサイクル

1. 企業基本情報

事業者名 株式会社グリーンシンク
所在地 東京都新宿区四谷3-5 不動産会館ビル701
主な事業内容 ・廃棄物・資源物総合管理分析システムの開発

・廃棄物・資源物情報取得端末の開発

代表者 代表取締役:山田 善紀
従業員数 3名
創業年月日 2001年11月22日
資本金 5,500万円
URL http://www.eco-cube.org/
会社沿革
2001年
にいがたニューエジソン事業認定(2003年まで)
2002年
新潟産業大賞にて「エコキューブ」が奨励賞受賞
2003年
新潟産業大賞にて優秀賞を受賞
2005年
愛知万博の廃棄物計量管理システムとして「エコキューブ」を導入
2009年
経済産業省「低炭素社会に向けた技術発掘・社会システム実証モデル事業」採択
2010年
林野庁木質ペレット等地域流通整備事業の「北海道型流通拡大プロジェクト」に参画
2011年
農林水産省広域連携等バイオマス利活用推進事業の「食品廃棄物等バイオマスの利活用推進」採択
2013年
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「T融合による新社会システムの開発・実証プロジェクト」(都市交通分野)採択

2. 環境・エネルギー分野における主な事業内容、特徴のある事業内容

<廃棄物の計量管理システム「エコキューブ」の開発>

インターネットを活用した事業系の廃棄物・資源物計量管理システムの開発・販売を行っている。一般的に、運搬事業者が行う計量を排出事業者側が行うことで、食品リサイクル法の減量計画の実行が容易となる。また、管理会社がテナントに対し、廃棄物・資源物の課金を従量制で行うケースなどもあり(従来は定額)、こうした際の簡易計量システムとして、需要がある。加えて、多店舗展開している事業者では、店舗ごとの廃棄物・資源物の発生量の把握が難しく、請求金額が明らかになるまで時間がかかる。「エコキューブ」を使用することで、店舗ごとの廃棄物発生量を把握でき、おおよその請求金額を把握することが即時可能となる。

<計量データを活用した減量サポート>

上記の計量装置を活用した「見える化」により把握した計量データを有効利用するためには、減量対策の立案などのコンサルティングが重要になる。こうした需要に対応するため、導入後の減量サポートも行っている。さらに、プラスチックを分別するなどの様々なノウハウを提供することで、廃棄物の削減につながり、減量計画の目標達成に導いている。

3. 事業詳細

事業開始の契機

現在の代表取締役がアルバイトで清掃業務を行っていた際、体重計を使用してゴミを計量し、計量結果を紙に記載してFAXで送るといった煩雑な業務を行っており、ミスも多く発生していた。また、外国人や障害者なども業務に携わっており、こうした作業を簡単にできる仕組みが必要と考えるようになった。簡単なシステムの代表例として、当時コンビニに設置されていたATMを参考にし、タッチパネルやショートメールの通信機能などを採用し、簡単な仕組みを構築した。
廃棄物の不法投棄の問題が世間を騒がせ、廃棄物に対する社会の関心が高まる中で、新潟県が「エコキューブ」に興味を持ち、ニューエジソン育成事業に採択された。この助成により、事業期間である3年の間に、実証試験、特許申請などを行った。

事業拡大までの経緯

(1) 事業展開の経歴

新潟県での実証試験を知った大手ビール会社が、本システムに興味を持ち、実証試験、採用にまで至った。また、愛知万博でも採用され、会場の十数ヶ所に設置することができた。事業開始当初は、信用力不足からなかなか導入に至らなかったが、こうした実績を重ねていくことで、様々な場所へ横展開することができた。
また、愛知万博での導入の際、計量結果の誤差が非常に大きく、1回の運搬で数キロに及ぶことがわかった。そこで、計量器のサイズや精度も非常に重要であり、そこにビジネスチャンスがあると考え、廃棄物処理費を負担する排出事業者にターゲットを絞り、展開を始めた。

(2) 他社との差別化
  • ユーザーオリジナルの製品
    排出事業者は、大手システム会社の電子マニュフェストを採用するか、従来通り大手計量器メーカーの計量器を使用するかの2通りである。この中で「エコキューブ」はこの中間に位置づけられる。大手システム会社とはデータのやり取りが可能であり、計量器メーカーとはライバルになるものの、売り切りの製品ではなく、お客様の中に入り込んで、把握したニーズに基づいてカスタマイズすることができ、簡単で非常に使いやすい現場に合わせた製品となっている。
  • システム開発の内製化
    顧客のニーズに合わせたカスタマイズを、社内で全て内製化しているため、柔軟な対応、低価格コストと短納期を実現している。

(3) 現状の改善点
  • 人員不足
    「エコキューブ」は売り切りではなく、販売した後もアフターフォローをきちんと行うことが非常に重要である。そのため、拡販した後もフォローできる体制を構築する必要があり、現状の人員では大規模に展開するための人員が不足している。

これまでに直面した壁

  • 会社の信用力不足
    ベンチャー企業であるため、顧客企業の現場担当者から許可を得ても、上層部から認められない場合がある。大手への導入実績により変わってきたものの、未だにこうした障壁がある。そのため、直接販売ではなく、大手商社や大手設備会社などに仲介してもらい納品するなどの対応を行っている。
  • コストの削減
    最終的な形としては、イニシャルコストを無料にして、様々な場所で導入された状況を構築したい。そうすることで、地域ごとに廃棄物の効率的な回収が可能となり、お客様負担額の更なる削減が可能となる。そのため、機器コストの削減について日々研究している。

今後伸ばしていきたい点

設備メーカーや商社など大手企業との事業連合を構築して販売力を強化し、展開を加速していきたい。今後、廃棄物の規制強化が予想されるため、こうした販売力を利用し、システムのインフラ化を図っていきたい。

4. 環境・エネルギー分野での新事業を検討している事業者に対するメッセージ

環境設備は嗜好品ではないため、必要のないところに無理に導入すると、社会環境事業から外れてしまう。そのため、必要としているフィールドを見つけること、導入まで体力温存(我慢)することが非常に重要である。また、資産や出費が増えるなど、環境設備はコストと認識されやすい。そのため、コストではなく投資であることを顧客にPRすることが重要であり、きちんとリターンが望めるビジネスであることを示す必要がある。そうすれば、先の長いビジネスになる。