事例紹介 〜省エネ・温暖化対策を新たな成長の原動力に〜今すぐできる中小企業向けヒント集

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環境保全・リサイクル

1. 企業基本情報

事業者名 株式会社ティービーエム
所在地 〒187-0032 東京都小平市小川町2-1247
主な事業内容
  • 厨房排水関連機器の開発製造
  • 厨房排水管理サービス
  • 新循環インフラ「環吉君システム」の開発運営
代表者 代表取締役社長 佐原 邦宏
従業員数 8名
創業年 1999年9月
資本金 1,735万円
URL http://kankichikun.com/
会社沿革
1999年9月
東京バイオマシン有限会社設立
2000年1月
グリストラップ洗浄マシン「環吉君」の開発に着手
2007年6月
経済産業省 新連携事業の認定取得
2007年11月
株式会社ティービーエムに組織変更
2008年2月
資本金1,735万円に増資
2009年11月
環吉君 基本特許取得
2013年7月
NEDO新エネルギーベンチャー技術革新事業に採択
2014年1月
再生燃料化技術 特許取得
2014年4月
NEDO課題設定型産業技術開発助成金に採択

2. 環境・エネルギー分野における主な事業内容、特徴のある事業内容

総合排水管理サービス

飲食店などの厨房排水には、油脂が多く含まれている。この油脂を、下水道などに流出させないために、「グリストラップ」(以下、GT)という装置の設置が義務付けられている。
GTには油脂や残渣が溜まるため、定期的な管理が必要だが、一般的には1~3か月に一回程度の低頻度でのバキューム処理を行っている店舗が多い。
ティービーエムの「環吉君」は、週1回以上のGT多頻度管理を可能とし、厨房排水の浄化、店舗の衛生面の向上、コスト低減を実現した。
また、併せて配管詰まりの未然防止策や、臭気対策、排水基準順守対策などのコンサルティングなども実施している。

トラップグリースのエネルギーリサイクル

ティービーエムは、GTに溜まった浮上油脂(以下、トラップグリース)を「環吉君」で分離回収し、バイオディーゼルフューエル(以下、BDF)とは異なる独自技術により再生燃料化できる。現在、NEDO支援のもと、この再生燃料を活用したクリーン発電実証を実施している。トラップグリースの排出量は年間31万トンと推計されているが、ほとんど有効活用されず産廃処理されている。ティービーエムは、トラップグリースをエネルギー資源に変換し、グリーン発電を行う新たな循環インフラ「環吉君システム」の確立に取り組んでいる。すでに経済産業省より再生可能エネルギー固定価格買取制度によるバイオマス発電設備認定も取得しており、2015年度初頭から発電事業を展開する準備を整えている。

3. 事業詳細

事業開始の契機

GTに関する問題や現場の悩みを色々と見聞きする中で、「水を守る」を事業コンセプトに起業した。設立当初から衛生工学や廃棄物処理、法律などに関して、研究機関や行政などの専門家に助言を求め、立脚すべき科学技術や法令調査に尽力した。
その結果、GT管理の在り方および高濃度油脂を含む排水処理においては、油脂を吸い込む機械式のほうが効率的で優位性があることが分かり、2000年1月より「環吉君」の開発に着手した。

事業拡大までの経緯

(1) 事業展開の経歴

2001年に大手飲食チェーンから受注し、導入を開始した。当初は、納入先の店舗スタッフによるGT管理を行っていたが、営業に集中させたいとの要望を受け、ティービーエム側でGT管理サービスを実施するようになる。2005年以降は、大手鉄道系列の飲食事業会社やショッピングセンター運営会社から受注をうけ、「環吉君」装置の賃貸、専門スタッフによるGT管理サービスだけでなく、排水負荷低減コンサルティングサービスを実施するようになる。

2007年には経済産業省の新連携事業の認定を受け、トラップグリースをA重油代替レベルまで再生燃料化する技術を開発した。現在は、2016年からの電力小売りの自由化も見据え、CO2削減に直結する発電事業の構築に取り組んでいる。

(2) 他社との差別化
  • 専門分野と関連分野の知識
     下水処理工学に関する基礎知識とともに、現場での実践的な改善力を有している。また廃棄物を扱うため、業務に関する周辺知識を初期の段階から細かくまとめている。こうした知識を保有しているので、説得力を持った営業ができ、かつコンサルティングなどの付加価値を提供できる。
  • 処理方法の独自性
    通常のバキュームでは、グリストラップに溜まった廃水、浮上油脂、沈殿物のすべてが産業廃棄物となってしまい、大量の産廃排出店舗とならざるを得ない。
    しかし「環吉君」は循環ろ過する中で、水以外の油脂や沈殿物のみを分離回収する方式となっている。これにより産廃排出量を1/10程度まで減量でき、コスト削減が可能となる。
  • 再利用化事業の実施
    産廃の減量だけでなく、分離回収される油脂トラップグリースは有料で販売できる。ユーザーにとっては、本来お金を出して捨てていたものを買い取ってもらうことが可能となる。さらにBDFとは一線を画する独自の再生燃料化施設、および独自の発電施設を保有していることが、他社には持ち得ない強みである。
(3) 現状の改善点
  • 作業スタッフの確保
    独自の機器を使用し、かつ独自のオペレーションとなるため、専門的なトレーニングが必要であり、こうしたスキルの高い作業スタッフの確保が必要になっている。そのため、今後はパートナー会社を広く募集して人材確保を図る予定。

これまでに直面した壁

導入メリットと規模の関係性

路面店など点在する店舗の場合は、訪問効率が悪く、コストメリットを出すことが難しいため、一定数以上の店舗が集合している大規模な施設でないと展開が難しかった。
一方で、管理対象店舗が増加する場合は、急激に増加するため、作業スタッフの手配が間に合わない。こうした経験から、施設型については、該当施設の既取引企業と連携し、作業スタッフを確保しながら展開スピードを早めていく。
さらに路面店については、ティービーエムが管理会社となった大手ファストフードチェーンの店舗を各エリアのコアとして、面の訪問効率を上げていく工夫を図ることで事業展開を早める。

今後伸ばしていきたい点

国内での全国展開をはじめ、海外展開も考えている。
基本技術の仕上がりレベルは80%程度。フィールド代理店および作業スタッフ養成は、緒に就いたばかりである。
まずは、東京を中心とした関東エリアで展開しながら、諸々の完成レベルを高めて、着実な発展成長を目指していく。

4. 環境・エネルギー分野での新事業を検討している事業者に対するメッセージ

素人的な思い込みで、いきなり、ものづくりから始める。このような立ち上げ方は、早晩頓挫が目に見えている。何かを始める場合には、きちんとした科学技術に関する知見、法律知識、現場現物現象を自身の目でしっかり確認することがとても重要である。
また、諸々を展開していく中でうまく行かないこと、挫折することもしばしばあるが、その時こそが飛躍のチャンスである。成功するまで努力を積み上げ続けることができるか否か。ネバーギブアップこそが、最も大切。