事例紹介 〜省エネ・温暖化対策を新たな成長の原動力に〜今すぐできる中小企業向けヒント集

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新エネルギー

1. 企業基本情報

事業者名 株式会社大阪テクノクラート
所在地 <本社>
〒590-0045 堺市堺区四条通1-3

<東京営業所>
〒101-0044 東京都千代田区鍛冶町1-6-15井門神田駅前ビル8階

主な事業内容 再生可能エネルギーや最先端の省エネルギー技術を使用し、効率的なヒーティングシステムを構築するため技術コンサルティング、設備設計から施工までを行っている。
代表者 代表取締役社長 峯 考弍
代表取締役専務 和田 徹雄
従業員数 27名
創業年 2002年6月1日
資本金 4000万円
URL http://www.osaka-techno.com/osaka_techno.htm
会社沿革
2002年6月
会社設立
2005年7月
メンテナンス部門分離、新会社インサイトエナジー㈱設立
2006年7月
札幌営業所開設
2006年10月
再生可能エネルギーのシステムエンジニアリング開始
2008年10月
大型ソーラーコレクター製造開始

2. 環境・エネルギー分野における主な事業内容、特徴のある事業内容

大阪テクノクラートは、集合住宅、老健施設等、熱需要が多く供給先が分散している施設へのエネルギー供給システムの構築及び再生可能エネルギーの有効利用(太陽熱、地中熱、木質バイオマス等)の企画立案から設計、施工、メンテナンスまで一貫して行っている。また、メンテナンスシステムの一環で行っているプラント機器の運転データを常時収集し、それらのデータをもとに、更なる省エネルギーシステムの構築を図り、設計企画に有効活用していることが他社にはない特長となっている。

3. 事業詳細

事業開始の契機

当所は大手の機械会社の住宅部門で同様の事業を行っていたため、事業歴は30年程である。同社の事業成長に向けた経営戦略の一環で、住宅部門が切り離されたため、当時事業部長であった現代表の峯氏が大阪テクノクラートを設立した。
当時の集合住宅(マンション)は、どの会社も建物のデザインが優先され、省エネ対策等はあまり重要視されていなかった。そんな中、あるディベロッパーから住環境を優先した給湯・暖房設備の導入に向けた相談を受けたのが、事業実施の契機となった。日本では、集合住宅へのエネルギー供給は、ガスまたは電気による一次エネルギー供給のみで、ヨーロッパのように熱供給によるセントラルヒーティングシステムはほとんどなく、個別の熱源器による給湯、暖房が行われていた。特に、暖房が主流となる寒冷地では、集合住宅の内部に機器が設置されているため、スペース、騒音の問題が大きかった。これからは、日本の集合住宅も快適性を優先した住宅設備と自然エネルギー(再生可能エネルギー)を利用したエネルギー効率の高い住宅開発を検討する企業は増えると考え、そこに事業性があると見込んだ。

事業拡大までの経緯

(1) 事業展開の経歴

2007年以降(5年目)は、再生可能エネルギー関連設備(太陽熱、地中熱など)が登場し始め、注目を浴びるようになってきた。これまで力を入れて行ってきたセントラルヒーティングの仕組みとの相性が非常に良く、こうした案件を中心に事業を拡大した。
また、一時的にまとまった資金が必要となる大規模事業はあまり実施せずに、利益率を高めるような戦略をとった。

(2) 他社との差別化

大阪テクノクラートの強みは、通常の熱源設備、配管工事などはもちろん、再生可能エネルギー関連設備を使用した熱源設備を設計、施工、メンテナンスまでを1社で完了できるところである。一般的な企業は、通常の熱源機器設備の施工請負が主で、メンテナンスまでを一貫して施工請負する企業は、全国でもあまり見受けられない。設備の手間離れを早くしたいため、メンテナンスなどをやりたくないのが一因である。
また、こうした事業を7年前から本格的に行っているため、実績も豊富に保有している。施工後も単なる売切りではなく、エネルギーデータをきちんと取得し保有していることにより、7年間蓄積したエネルギーデータを次の事業に生かしたシステム構築が可能となる。

(3) 現状の改善点
  • キャッシュフロー
    設備を扱っている会社のため、1案件の売り上げが高額になる。こうした案件は、設備導入完了後に入金されるケースが多いため、それまでのキャッシュフローの確保などが大きな課題である。
  • 人材の確保
    中小企業であり、一般に広く知られている企業ではないため、優秀な若い人材の確保が喫緊の課題となっている。

これまでに直面した壁

環境・エネルギー事業の中でも様々な業界があるが、建築物に設置する設備の施工を行う会社の場合は、キャッシュフローの確保が大きな壁となることが多い。また、建築業界は銀行からの融資をうけることが比較的難しい。そのため、技術的には受注はできてもキャッシュフローを理由に受けることができないということもある。こうしたことから、大阪テクノクラートでは以下の対策を実施し、利益率と安定的な売り上げを確保し事業を拡大してきた。

  • 利益率が低くても安定的に受注できるものを一部で受ける。
  • 新しい技術を開発して、付加価値を設ける。
  • 自分たちで案件を作り出す。

特に「新しい技術開発」に関しては、独自のルートをヨーロッパに保有しており、最先端の技術を常にチェックし、日本で活用できそうな技術は機器を輸入し導入している。加えて、自社で大型太陽熱集熱装置(ソーラーコレクター)を開発しており、大規模な熱システム(給湯・暖房)の設備導入時に太陽熱利用の導入を容易にしている。こうした独自の技術を保有することで、オンリーワンの付加価値を生み出している。

今後伸ばしていきたい点

発展途上国への展開を検討している。実際、多くの国から依頼を受けることはあるが、社会が成熟しておらず、また、政情も不安定なため実現できていない。しかし、設備導入などはもちろん、人材確保なども含めて海外への展開は、本格的に検討を行い実現したい。
また、日本市場においては、下記についていくつかの新規技術を使用したシステムを展開していきたいと考えている。

a. 太陽熱の利用拡大  低温度域の暖房利用、太陽熱冷房設備
b. 排熱有効利用システムの構築
c. 地中熱利用の施工システムの改良とコスト低減化
d. 木質バイオマス利用熱電併給システムの構築

4. 環境・エネルギー分野での新事業を検討している事業者に対するメッセージ

環境・エネルギー事業を実施する場合は、導入する設備のみではなく、建物も非常に重要となる。そのため、ゼネコンや施主の理解も得ながら、事業を進めていく必要がある。
また、太陽光などの人気商品だけに注目するのではなく、住宅や商業施設に対する省エネをどうするか、建物環境をどうするか、といった環境の向上という本質に立って取扱商品の選定を行うべきである。