事例紹介 〜省エネ・温暖化対策を新たな成長の原動力に〜今すぐできる中小企業向けヒント集

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省エネルギー

1. 企業基本情報

事業者名 株式会社風技術センター
所在地 〒131-0031 東京都墨田区墨田4-8-7
主な事業内容
  • 風洞装置及び周辺機器、測定機器の設計・製造・販売
  • 既設風洞設備の改良及びメンテナンス
  • 風洞実験用模型、展示用模型の製作及び販売
  • 環境アセスメント調査
  • 構造物の風洞実験装置
  • 建築物の設計及び監理
  • エネルギー事業
代表者 代表取締役会長 永田 幸
代表取締役社長 高見 章
従業員数 24名
創業年 1981年11月13日
資本金 4,500万円
URL http://www.windec.co.jp/
会社沿革
1981年
工学模型センター設立
1990年
工学模型センターを新宿より新社屋(墨田区)に移転
都市環境リサーチ設立
1994年
工学模型センター都市環境リサーチを合併
新社名を「風技術センター」とする
2013年
グローバルスカイ・グループに参加
2013年
VPEC株式会社の「ECOネットワーク」事業継承

2. 環境・エネルギー分野における主な事業内容、特徴のある事業内容

クラスター拡張型グリッド「ECOネットワーク」

ECOネットワークを導入することで、電力消費の効率化と防災対応が可能である。ECOネットワークの特徴とその効果を以下に示す。

表 2.1 ECOネットワークの特徴

特徴

効果

クラスター間の電力融通

戸建住宅が個別に設備を導入する場合に比べて、蓄電池40%、太陽光設備30%の設備を削減可能

再生可能エネルギーの大量導入が可能

20%以上のCO2削減

クラスター単位での拡大が可能

無電化地域での電力投資削減

インターネットを使用しない電力融通

災害時でも安定した電力供給

様々な種類の蓄電池に対応可能

安価にシステムを構築可能

従来の系統電力は、発電所から変電所を経て、変圧器を通った後、各戸に配電されている。そのため、上流の発電所や変電所が停電した場合には、その下にぶら下がっている全ての住戸が停電の影響を受けてしまう。風技術センターで開発を行っている「ECOネットワーク」は変圧器の先にある単位の住戸(8戸程度)を「クラスター」と捉え、クラスター内で電力の融通を行うことが可能である。また、クラスター間をECOネットワークで結ぶことで、更に範囲を広げて電力の融通が可能となる技術である。(図2.1)

 ECOネットワークは、連携インバータを介すことで電力融通が可能となる。こうした制御のソフト部分を独自の方法で行うことで、機器を選ばずにシステムを構築することが可能となる。そのため、実証段階ではあえて市場で販売されている既存製品を使用し、システムを構築している。

3. 事業詳細

事業開始の契機

1981年の創業以来、建築・土木分野における風洞実験に伴う実験模型の製造から風洞装置の設計・製造・保守等風洞実験に関わる業務を中心に業務展開している。一方、国内市場において、同分野における風洞実験関連業務の大幅な拡大は見込めないことから、風環境分野と相乗効果が期待できる新規事業を模索していた。その中で、「ECOネットワーク」の研究開発に長年従事してきた株式会社VPECの実証研究を事業化へと発展させるため、2013年に同社を吸収合併し、新たな環境・エネルギー関連事業分野として、「ECOネットワーク」の事業展開を開始している。

事業拡大までの経緯

(1) 事業展開の経歴

2012年度より、環境省の補助事業「地球温暖化対策技術開発・実証研究事業」に従事し、最終年の今年は実証実験を終えている。今後、事業拡大に向けて、販売を開始する予定である。ターゲットとしては、戸建住宅のディベロッパーを中心に、地域エネルギー事業者への展開を検討している。

(2) 他社との差別化
  • 独自技術による低コスト化と導入容易性
    ECOネットワークは、従来の基幹電力網と同じ需給メカニズムを、分散電源から構成される配電網レベルにおいて実現しようとするものである。電力需要よりも発電機による電力供給が多くなれば周波数は上昇し、またその反対であれば周波数は下降する。即ち、周波数を検出できれば、専用の通信回線(ICT)を用いずとも、電力網全体としての需給量の過不足を定量的に把握できることになる。
    従って、ECOネットワークでは需給制御をICTに依存せずに行うことができ、その分、コストが低下する。ICTに依存せずに需給制御ができれば、ICTが普及していない開発途上国、過疎地域への導入も容易となる。
(3) 現状の改善点
  • 市場の評価
     環境・エネルギー分野で事業を始めてまだ間もなく、製品も実証が終了した段階であり、今後販売を行う予定である。そのため、現状では導入実績が無く、当該システムが市場の評価を受けるのはこれからという状況である。少しでも市場評価を高めるため、大学などの研究機関との積極的な連携や補助金などの活用により、評価向上に努めている。

これまでに直面した壁

  • 電力会社の制約
     戸建住宅間の電力融通を行う際は、電力会社との調整が必要となり、現状の制約の中では導入が非常に難しい。そのため、2016年の電力自由化を追い風に、規制緩和後の本格的事業展開を行うための戦略を練り、実行に移したい。また、新電力事業者と連携して導入を行っていきたい。

今後伸ばしていきたい点

将来的には海外展開も念頭に置いているが、まずは国内での市場開拓を進めたい。そのためには、低コスト化、耐久性の強化等を通じて商品価値を更に高め、普及させていきたいと考えている。

4. 環境・エネルギー分野での新事業を検討している事業者に対するメッセージ

新エネルギー分野は規制が非常に多い。そのため、新規の事業を行うには様々な規制をクリアしていくことが求められる。また、時には規制緩和のために行政を動かすなどの対応が必要となるため、戦略的な動きが求められる。
環境・エネルギー事業を行うのであれば、どの程度地球温暖化に貢献できるのかを考え、環境負荷の低い設備を検討してほしい。