事例紹介 〜省エネ・温暖化対策を新たな成長の原動力に〜今すぐできる中小企業向けヒント集

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新エネルギー

1. 企業基本情報

事業者名 パワーシェアリング株式会社
所在地 〒108-0075 東京都港区港南1-9-36 NTTデータ品川ビル(アレア品川)13階
主な事業内容 ・電力需給管理代行

・バランシンググループ組成支援

・電源の調達代行

・小売電気事業者の販売支援

・料金請求業務代行

・小売電気事業コンサルティング

代表者 代表取締役 鈴木 智晴
従業員数 30名
創業年 2014年9月
資本金 1,200万円
URL http://power-sharing.co.jp/
会社沿革
2014年9月
事業開始

2. 環境・エネルギー分野における主な事業内容、特徴のある事業内容

<電力需給管理代行>

電力小売全面自由化を受け、様々な事業者が新電力事業を始めている。新電力事業者には同時同量(電力の供給量と需要量を一致を義務付ける制度)の達成に向けた需給監視や計画策定などといった多くの需給管理業務が義務付けられている。こうしたバックヤード業務には、専門的なシステムや知識が必要となるため、パワーシェアリングでは代行サービスを提供し、新電力事業を新たに始めようとする事業者のサポートを行っている。

図2-1 電力需給管理代行

<バランシンググループ組成支援>

バランシンググループとは多くの小売電気事業者を1つのグループとして扱うことである。グループとなることで電力需要のブレを減らし、送配電会社と契約した同時同量(上記参照)をより容易に達成することが可能となる。パワーシェアリングが保有する小売電気事業者との豊富なネットワークを生かし、クライアントの要望に合わせた有効なバランシンググループの組成を支援している。

図2-2 バランシンググループ組成支援

3. 事業詳細

事業開始の契機

経営者は創業以前から新電力事業分野に進出していたが、当時、小売電気事業者のバックヤード業務を行っていたのは国内で1~2社程度であったため、ビジネスチャンスを感じ独立して事業を開始した。中でも自治体は、ごみ焼却施設・風力などの発電施設と、役所など需要施設の両方を持っていても、電力の販売、購入をそれぞれ別の会社から行い、発電・需要施設を有効に活用できていない場合が多い。そのため、発電施設と需要施設の電力を一括して管理し、効率よく需給を調整するような会社を設立したいと思い、現在のパワーシェアリングを創設した。

図3-1  地域発電所の活用

事業拡大までの経緯

(1) 事業展開のきっかけ

事業展開の契機となったのが2015年4月に泉佐野市の新電力事業開始の公募に採択され、自治体向けにサービスを行うようになったことである。自治体公募での採択事例により、企業として信用力が向上し、様々な顧客獲得につながった。また、市場獲得のため、新電力事業の立ち上げ支援に関する報酬を成功報酬型とし、需給管理の報酬に関しては固定費無料に設定することで、クライアントが始めやすい素地を作った。これらの取組により、現在、約40社の新電力の小売事業者に対してサービスを提供しており、2017年度には100社への提供を目指している。

(2) 補助金の利用

これまで、同社役員が保有していた資金などを活用して企業運営に関わる費用を賄うことができた。一方で、実現可能性調査として以下の補助金を取得している。

表3-1 取得補助金一覧

補助事業元 補助事業名 プロジェクト
経産省 平成26年度地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助金(構想普及支援事業) 浜名湖かんざんじ温泉地区エネルギー地産地消事業化可能性調査
経産省 平成28年度地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助金(構想普及支援事業) 青森県弘前市・小規模木質バイオマスCHPプラントによる分散型エネルギー地産地消とエリアエネルギーマネジメント(情報サービスシステム含む)の事業化検討
(3) 他社との差別化
  • 価格の安さ
    パワーシェアリングでは基本料金を取らず供給実績に合わせた請求を行うことで、低価格でサービスを提供している。また、ハード面での設備投資を極力避け、ソフト面での投資を重視する方針も価格の安さに貢献している。さらに、同社との契約を解除する際は、3か月前に通知することでペナルティ無く解除できるため、同社との契約にあたりリスクが比較的小さい。
(4) 現状の改善すべき点
  • 資本力不足
    ライバルとなる企業は巨大な資本を保有している企業が多い。民間のクライアントに対しての競争であればコストメリット等の指標で評価を受けることができるが、自治体での競争入札の場合には資本力などが信用力となり、他社との差を感じる場合がある。

これまでに直面した壁

・他の新電力関連事業者の悪評による障害

新電力関連事業者の倒産などにより、同様の事業を行う企業に対する信用力の低下につながってしまった。こうした中で、サービス内容に関して真摯に何度も時間をかけて説明し、誠実にクライアントに接することで、企業として信頼を得られるようになっていった。

・資本力の差

改善すべき点でも記載しているが、資本力不足により、価格やサービス面で優っていても、資本力を理由に自治体の競争入札などで採択されないことがある。資本力強化のために、今後は上場を視野に入れた会社の整備や大資本の企業との連携などを検討していきたい。

今後伸ばしていきたい点

他社とさらに差別化できるサービスを提供できるよう、ソフトウェアの開発力を強化していきたいと考えている。具体的には、バランシンググループ支援業務のソフトウェアを改良し、電力を容易に融通できるような仕組みを構築したい。

4. 環境・エネルギー分野での新事業を検討している事業者に対するメッセージ

制度変更によって非常に影響を受ける事業分野である。そのため、現行制度の理解はもちろん、今後の流れも予測しながらビジネスを行う必要がある。また、制度変更の影響を最小限に抑えるために、ハード面での設備投資をできる限り少なくし、ソフト面での対応を心掛けることで柔軟な対応が可能となる。