事例紹介 〜省エネ・温暖化対策を新たな成長の原動力に〜今すぐできる中小企業向けヒント集

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新エネルギー

1. 企業基本情報

事業者名 株式会社イーネットワークシステムズ
所在地 〒108-0014 東京都港区芝5-26-30 専売ビル5F-3
主な事業内容 ・電力小売事業
・電力小売事業に関するビジネスコンサルティング
・電力小売に関するシステム企画、設計、開発、ASPサービス
・インターネットを利用した各種情報提供サービス
代表者 代表取締役 及川 浩
従業員数 12名
創業年 2015年4月
資本金 500万円
URL http://www.enetsystems.co.jp/
会社沿革
2015年4月
会社設立
2016年4月
電力小売事業開始
(中部電力、関西電力、東京電力管内の3エリアを対象)

2. 環境・エネルギー分野における主な事業内容、特徴のある事業内容

<電力小売事業>

電力の小売完全自由化(2005年の4月から高圧電力、2016年4月から低圧電力の小売が自由化)により一般電気事業者以外の新電力事業者から電力を購入することができるようになった。イーネットワークシステムズでは、新電力事業者として丸紅新電力と連携し電力の小売事業を行っている。クライアントは一般電気事業者から新電力に切り替えることで、電力料金を安くできる可能性が高まる。従来の一般電気事業者と同じ送配電網を利用するため、品質などの心配もない。

 

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図 2-1 電力小売事業の概念

<電力小売サポートサービス>

イーネットワークシステムズでは、電力事業へ参入する事業者のための電力小売りサポートサービスを提供しており、エネルギーの調達から事業運営に関わるノウハウをワンストップで提供することができる。最大の特徴は各事業者が代理店として電力を販売する「代理店モデル」ではなく、電気を自社商品として販売可能な「取次モデル」を採用している点である。これにより、取次店として契約した事業者は顧客と直接電気の契約を結ぶことができ、様々な自社のサービスと連携させることで強みを出すことができる。そのため、顧客の囲い込みなどが行えるようになり、事業者のソリューションの1つとして電力販売を行うことが可能となる。
現在は売上の9割が取次モデルであり、特に料金の引落しの仕組みを保有している事業者との親和性が高い。

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図 2-2 取次店モデルの概要図

3. 事業詳細

事業拡大までの経緯

(1) 事業展開のきっかけ

設立当初は電力の小売りが全面自由化となっていなかったため、本格的な電力供給事業は行っていなかった。その間は電力自由化に関して全国を対象に講演をしており、セミナー等を通じ提携事業者を募集していった。

また、設立当初は連携する発電事業者の選定にあたり、複数社と調製を行ってきた。その中で、自社のスキームに対応可能であり、条件面も優れている丸紅新電力と電源調達及び需要調整に関しての提携契約を結び本格的に事業を開始するに至った。

(2) 補助金の利用

設立して間もないため、これまで補助金は受けていない。

(3) 他社との差別化
  • 取次店モデルの強化
    一般的な新電力事業者のように、顧客に対して自社ブランドの電力を直接販売するのではなく、提携事業者のブランド名の電力を、提携事業者の顧客やチャネルを通しての電力販売を主力事業としている。そのため、競争相手である他の多くの新電力事業者と異なった立ち位置でビジネスを展開している。
  • 豊富な知見
    経営者は前職在籍時から様々な生活関連サービスと電力の融合を検討してきた。例えば、一般電気事業者は、漏電などはサービス対象外としていたが、こうした案件にも電力会社が積極的に対応するサービスや、電気と通信をセットにした見える化サービス、ホームコントールサービス等も検討し、一部サービスは、実際に提供してきたものもある。このようなこれまでの経験をもとにサービスプラットフォームの拡充を行っている。
(4) 現状の改善すべき点
  • 認知度の低さ
    設立から日が浅いため、会社名はもちろんだが事業スキームなどの認知度の低さが課題である。そのため、多くの事業者と連携し実績を積んでいく必要がある。実際に、仮想通貨のビットコインを扱っている事業者などとの連携を図った際も、積極的にプレスリリースを行うなど、認知度の向上に努めている。
  • 事業立ち上げまでのスピードの遅さ
    電力の小売が自由化されてから日が浅いため、まだ電力小売事業者の切り替えも進んでいないことから、事業者の取り組みも遅れがちであるのが実態である。このため、クライアントとの最初の打合せから事業化までに非常に多くの検討期間を有することが多く、販売開始までに非常に時間と手間のかかる状況となっている。今後は、電力自由化に関する知識なども広がり、事業者の取り組みにも熱が入りスピードが徐々に加速するとは考えているが、営業ツール等も含め、クライアントが決断しやすい状況を整えていきたい。

これまでに直面した壁

・新電力事業の営業の難しさ

取次店となった提携事業者の営業マンがお客様宅を訪問した際、電力自由化に関する知識不足から質問に対してスムーズに回答できず、円滑に契約を締結することが難しくなっている。そのため、取次店となった提携事業者が販売しやすい営業ツールの作成が必要と考えている。また、営業マンを対象とした勉強会などを開催し、営業知識を培ってもらいたいと考えている。

・制度策定の遅れ

電力全面自由化に向けた制度検討が、当初の想定より遅れたと感じている。そのため、制度策定から事業開始までのリードタイムが非常に短く、様々な業務が後ろ倒しになってしまった。こうした状況から、営業ツールやマニュアルなどは電力事業の経験を活かし、着手できる部分から作成を開始した。また、議論の進捗状況を考慮し、あえて2通りの資料を作成するなど、なるべく制度策定からすぐに動き出せるよう準備をした。

今後伸ばしていきたい点

提携事業者を更に増やしていきたいと考えている。特にスーパーマーケットなどの流通関係の事業者は顧客との関係を深めたいと考えており、独自のポイントシステムを構築している事業者が多い。そうしたポイントと電力販売を結びつけることで、顧客の囲い込みに繋げることができると考えている。また、チェーン展開している事業者などは、自社FC店舗を対象に電力を供給するだけで電気料金の削減と手数料を得ることができるため、非常に多くのメリットを得られることから、ぜひ連携したいと考えている。

4. 環境・エネルギー分野での新事業を検討している事業者に対するメッセージ

環境・エネルギー分野の事業は制度の動向に左右される事業である。そのため、日本の事例だけでなく、欧米の事例なども参考にしながら、動向を把握し、事業計画を策定することが求められる。